なにこれ
眼球にコンタクトレンズ入れる手術ことICLをやりましたよ、という体験談です。
周りに興味持っている人が多いのでレポを残します。
※ この文章は @haze_it_ac の体験談です。正確性は保証しません。他の人の場合、同じ医療機関でも異なる診断や方針、術後の症状になる場合があります。また、方針は病院によっても大きく異なります。受診した病院の医師の問診結果や、医療関係者の意見を優先してください。なお、筆者は医療従事者ではなく、医学や薬学に関する専門知識は持ち合わせていません。
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2年半前にやった鼻中隔湾曲症の手術レポ。
3行まとめ
- 視力が両目0.01未満から両目1.5以上に上昇し、両目ともに人生で一番視力が良い状態に
- ハローグレアは手術から約1ヶ月経ってもまだあるが、基本的には快適で満足している
- 術中はとてもつらい が、(比較するものでもないが)鼻中隔湾曲症の術後・虫垂炎(盲腸)の痛み・熱中症で倒れたとき等と比べると全然マシなので耐えられる
目次
ICLとは
眼球内にレンズを挿入し固定することで視力矯正をはかる手術法。
レーシックとよく比較され、角膜を削る必要がない点・重度の近視にも対応している点・レンズの交換が可能な点などがよくメリットとして挙げられる。
手術が可能かどうかの条件がレーシックと異なるので、どっちができるかは検査が必要。
レポ
術前の状態
私は
- 出生時に左目の損傷があったらしくレーザー治療を受けている(らしいです。記憶はもちろんない)
- 超低出生体重児(7ヶ月出産 / 出生時1,000g未満)のため、目の神経が未発達で、発達次第で小学校までに左目が失明する可能性があった
と、かなり初期状態が悪く、小学生〜中学生の段階で右目が1.0があるかないか、左目は0.01未満になっているかなっていないかくらい。
いわゆる不同視というやつで、遠近感が取れない等の問題を持っていました。
必然的に右目頼りになっていて、中学〜高校でプログラミングを始めてから右目の視力がどんどん悪化。眼鏡を買い、社会人になるタイミングでコンタクトレンズに変更。どこかのタイミングで乱視も強くなりました。
手術まで日常的に乱視用のコンタクトレンズを使用していて、左目が PWR -9.50、右目が PWR -4.25 をつけて、視力1.0ぐらいです。(左目単体だと0.6~7ぐらいなので、ほとんど右目頼りでしたが)
術前検査
基本的には
- そもそも手術を受けられるかどうか(=ICLを入れられる場所が空いているか)を確認
- 視力・乱視の正確な測定
- 眼圧検査
- 眼底検査
を行うようです。
場所によって微妙に違うかもですが、基本的には2時間ぐらいかかるので時間に余裕を持って行くと良いです。
諸事情によりICLの適性検査は3ヶ所で受けましたが、場所によっては視野検査があり、目がめちゃくちゃ疲れるので他に予定が何もない日に行くことをおすすめします。
後述しますが手術した医療機関は視力の測定をかなり丁寧にやるところのため、私の場合は2日にかけて検査をして、ICLの仕様を固めていきました。
待機
普通(?)の視力であれば在庫のレンズが使えることが多く、検査が問題なければすぐ手術ができますが、度数が強い・乱視がきつい等で在庫のものが使えない場合は特注になります。
スイスの特許を持っている会社かどっかが作っているらしく、医療機関が発注すると工場で作成され、国内に輸送されてくるとのことです。
私は左目が特注だったので、5週間ぐらい待機。真夏に検査して、手術は11月に実施しました。
手術
当日は手術の一時間前くらいに到着して、点眼しつつ待機。
手術中は瞼を固定する機器をつけて、麻酔して、20分前後ひたすら耐えます。
とにかく目が閉じられないこと、手術用の明るいライトがずっと眩しいこと、動かせなくなった眼球に液体かけられたりレンズが展開されたりすることの不快感がすごい。耐えられなくはないギリギリの拷問って感じです。
痛みはないんですが、丸められた状態で挿入されたレンズが目の中で展開されていくときは眼球を押されている感触がしっかりあって結構怖かった。
術中、血やメスは視界に入ってきませんでした。(流れるほど血は出てないはず)
レンズが展開されたタイミングでいきなり視力が上がる!!!!というのはありませんでした。ずっとボヤボヤです。残念......
術後当日
医療機関によってやるやらないが変わるらしいんですが、手術の最後にかける点眼が1時間ぐらい染みます。これもまあ耐えるしかないです。頑張りましょう
あとずっと目にゴミが入ったときの感覚が強く、30分ぐらいはほとんど目が開けられません。
おそらくどこでもですが、2時間ぐらいは医療機関内で待機です。
暇だったのでスマホを見ようとしたり、院内の掲示物が見えるか試したりしていました。
半日〜丸一日ぐらいは近くが全然見えません。焦点が大幅に変わり、近くを見ようとすると奥に焦点が合ってウケます。
スマホの文字は全然見えないんですが、ボヤけた状態で生活するのに慣れているので30分経ったくらいから何となく操作できてました。
1時間経過〜2時間ぐらいで麻酔が切れてきて、アレルギーのときの目のかゆみのような、傷の痛みが出てきます。一週間ぐらい続くんですが、少しずつマシになります。
眼圧が上がる人もいるそうで(上がりました)、眼圧を下げる点眼をすると一気に楽になります。グッて目を押され続ける感覚・目が張ってる感覚が続いたら医師に言ってみてください。
2時間後に軽く問題がないか確認と視力の確認をして、問題がなければ帰宅します。
当日〜翌日までは、めちゃくちゃ強い乱視みたいな感じで光源だけが複数に見えたり、ハロー・グレアが強烈に出ます。
眩しいのでサングラスを持っていくことをおすすめします。見えている範囲全体が明るくなるというよりは、明るいところだけが更に明るくなる感じです。
スターバーストは当日だけあったんですが、翌日にはほぼ無くなってました
目薬2個(抗菌薬とホルモン剤)を、なくなるまで1日3回点眼します。ちょうど2週間持ちました。
抗菌薬はやや染みます。
翌日〜一週間
手術の翌日に来院して視力検査。
翌日の段階で、遠視はほぼ100%の視力が出るので、成功可否がわかります。無事両目1.5になって良かったね〜て話してました。
術後の目の状態は悪くなかったんですが、それでも術後数日は以下の症状があります。
- 近くは頑張ったら見える。目の筋肉がめっちゃ頑張るのがわかるのと、眼圧が跳ね上がるような感覚があったのであんまり見ないほうが良いと思います
- 遠くを見ていてすぐ近くに切り替えるとか、暗いところから明るいところに移動すると目に痛みが出ます。3日ぐらいで気にならなくなりました
- パソコン・ディスプレイを見るのはかなり疲れる。仕事は2~3日できないと思ったほうが良さそう
3日後に風呂に入るのが最高です
1週間〜2週間後
来院して視力検査と状態確認。
傷も問題なくふさがり、ダイビング・スキー含め何してもOKとのこと。
近くも普通に見えるようになったし、ハロー・グレアも残るけど慣れます。
費用について
両目乱視ありで68万円(税込)でした。
ICLは保険適用外なので10割負担かつ高額医療費制度も対象外ですが、医療費控除の対象なので確定申告すれば結構な金額が控除となります。
領収書の保管が必要になるので無くさないようにしましょう。
医療機関選びについて
ICLは手術の中ではそこまで難しくない部類に入るはずで、まあどこで受けても手術そのもので大きな問題はそんなに起きないかと思います。
違いが大きいのは検査で、コンタクトレンズと違ってレンズが合わなかったらすぐ変えるというのができないため、丁寧に検査をするところじゃないと狙ったとおりに視力が出ない、ということもあります。
大沢眼科にしたのは視力の検査が他の医療機関と比べるとかなり丁寧かつ、説得力のある丁寧な説明があったからです。
私の場合、左目でものを視る力がそもそも育ってないことから視力が不安定になりがちで、一回の検査だと正確にレンズの度数を決定できなかったため、1週間後に再検査する等の対応がありました。
手術したい人に向けての注意点
数日風呂に入れないことを前提にスケジュールを組んでください
具体的には、手術は秋冬にしたほうが良いです。
ドライタオルとかで身体を拭いたりはまあしますが、夏だと耐えられないと思います。
一週間ぐらい目の上下の白目の部分に血溜まりが残ります
かなり目立つので、人に会うのは一週間控えたほうが良さそう。
一週間は運動・運転禁止
まあハロー・グレアがあるし視力も安定するまで時間かかるはずなので、運転する気にはならないかと思いますが。
多分酒も駄目なんですが、4日目ぐらいから飲んでました
風呂とか寝室とかリビングの床が汚く見えるようになります
視力が良くなっていらないものまで見えるやつです。掃除しましょう
近くが見えない症状の戻りの早さは年齢の影響がある
若いと筋肉が動くので早い。とのことです。
老眼用のICLもあるみたいなので、医師に相談してみてください。
感想
約一ヶ月経った今の感想は、やって良かった!!!!です。
左目の視力が出るかが手術翌日までわからず、先生にもあんまり期待しないほうが良いと言われていたんですが、結果うまいこと出て良かったです。(左目単体でも1.0出てます)
コンタクトレンズ持ちにはわかると思うんですが、
寝起きに眼鏡かけたりコンタクトつけたりしなくて良くなったのとか、泊まり(キャンプとか)に洗浄液持っていかなくて済むようになったのとか、温泉でコンタクト外すか悩んだりとか、昼寝してコンタクトがカピカピになるのを気にしなくて良いとか...細かい積み重ねがいっぱいあります。
最後に
参考になりましたでしょうか。
金額が金額なのと、リスクもないわけではないのと、適用外のケースもあるので誰にでも勧められるわけではないんですが、やりたいと思っている人は早めにやることをおすすめしたいです。
人によって、病院によって取れる策も方針も違うので、こういう一例があるという認識で置いていただけると助かります。